(この記事は2019年2月23日に作成されました。)
お久しぶりの映画批評記事になります。今年に入って、映画のほうは「アリー」「あした世界が終わるとしても」など鑑賞していますが、今年一番(といってもまだ2カ月)の映画が決まりました。その名も
アリータ:バトルエンジェル
『アバター』でおなじみのジェームスキャメロン脚本、制作で私も知らなかったのですが、日本の漫画『銃夢(がんむ)』が原作となっている、サイボーグの少女アリータが活躍する実写をCGが融合した近未来SFアクション映画となっています。
予告で気になっていましたが、アリータのみCGというのとストーリーもありがちな感じで期待値はそこまで高くはなかったのですが、フタを開けてみたらまあとんでもなく面白く、胸をワクワクさせながら見ることができた大作でした。
映画「アリータ:バトルエンジェル」のあらすじ
舞台は、“支配する者”と“支配される者”の2つの世界に分断された、謎めいた遠い未来。サイバー医師のイドは、瓦礫の中から少女の人形の頭部を 拾い上げる。彼女は 300 年前のサイボーグであり、なんと脳は生身のまま生きていた。イドは、過去の記憶を失っていた少女に新たな機械の身体を与え、アリータと 名付けて成長を見守る。ある日、自分の中に並外れた戦闘能力が眠っていることに気づいたアリータは、自分が 300 年前に失われたテクノロジーで創られた“最強兵 器”だということを知る。逃れられない運命に直面した少女は、与えられた自分の命の意味を見つけるために、二つの世界の秩序を揺るがす壮大な旅に出る。
https://filmarks.com/movies/68417
ネタバレなしの評価と感想
勝手に評価勝
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ストーリー ・・ 88 点
映像 ・・ 98 点
演出 ・・ 85 点
音楽 ・・ 80 点
キャラクター・・ 90 点
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総合 ・・ 92 点
総評コメント
「魅力的な主人公と取り巻くキャラクター達。引き込まれるストーリー展開。こんな近未来映画を待っていた!」
※以下ネタバレありです。
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「アリータ:バトルエンジェル」ネタバレありストーリー紹介
起
舞台は2500年代の近未来、スクラップ置き場でDr.イドはたくさんの瓦礫のなかから生命反応のある一つのサイボーグを発見する。
サイボーグの医師であるイドは彼女の修理し、彼女は目を覚ます。しかし、
彼女は 捨てられる前の記憶が一切なくイドの家に住まさせてもらうことになる。
Dr.イドによって、彼女は「アリータ」をいう名前を付けられることに。自分の名前を気に入ったアリータはイドに街を案内されることに。イドから世界は上の世界であるザレムといわれる天空都市とこの下界にあたる、くず鉄街アイアンシティとて分かれてることを教わる。
そんな、くず鉄街でアリータはヒューゴという一人の若者と出会うことになる。サイボーグながらに彼が気になる様子のアリータであったが、Dr.イドはアリータに「あまり街の連中と関わるな。あまり遠くへ行かず夜も早く帰るように」と言われてしまう。
そんなことは気にせず、ヒューゴの友人たちを一緒に『モーターポール』と言われる競技に夢中になっていくアリータ。そんな、アリータは街で行っている連続女性殺害事件の記事を見つける。また、とある夜にイドが一人手に血を付けて帰ってくるのを見てしまう。こうしてアリータはイドに不信感を抱くのであった。
承
そうして、ある日の夜にイドが一人で怪しげな格好と大きな荷物を持って出かけるのを発見したアリータはイドの後を追うことに。
なんとイドはとある女性を殺そうと自家製の武器を今にも振りかざそうとしてた。「やめて!」止めに入るアリータ。しかし、イドは言う
「しまった、罠だ。逃げるんだアリータ!」
その女性の正体は殺人サイボーグであり、何やらそのボスのような大男も出てきてイドを殺そうとしていた。そんな状況でアリータはイドを助けるべく、とんでもない力を発揮することに。
殺人女性サイボーグを恐るべき身体能力で倒したアリータ。続いて大男のサイボーグも追いつめる。その戦闘の最中にアリータは自身の記憶の断片を思い出すことになる。
大男は逃げながら語る。「わが名はグリシュカ。必ずやお前ら2人を殺す!」
イドを助けたアリータは問う。どういうことか説明してほしいと。イドは倒した女性サイボーグの首をある施設に持っていき賞金を得ながら、
「この街も昔は警察が悪人をさばいていたが、今はハンターがやっている。診療を続けていくにはこれしかなかった。」
イドは街で悪さをして指名手配されているサイボーグを捕まえるサイボーグハンターをしていたのだ。
また、大きな理由が亡くなった娘にあった。自分が治し改造した男が薬欲しさに自分の家を強盗した際に娘を殺し、そのまま街の悪人になったと。いわばこれは贖罪であるとイドは語った。
その娘の名前はアリータ。部品も一部その娘のものを使用していた。
ならば私もハンターになると言うアリータ。戦いの中で記憶を取り戻すことにできるのだと。しかし、イドはこれに猛反対。そんなアリータはあまり家に帰らず、ヒューゴと行動を共にすることに。
ヒューゴに『モーターポール』の試合に連れていってもらったアリータはここでチャンプになれたものは上の世界ザレムに行く権利を与えられることを知る。また、主催のベクター、そして以前少しあったことにある女性のチレン(イドの元妻)を見かけることに。
ヒューゴもまたザレムへ行くことを夢見ており、そのためベクターにサイボーグのパーツを奪って売るという裏稼業も行っていた。ヒューゴたちはモーターポールの試合で活躍した選手のパーツを奪いベクターに売る。そのパーツは以前アリータが倒しかけたグリシュカを改造することに使われることに。
このベクターとチレン、そしてグリシュカは上の世界を支配する男ノヴァに仕えており、すべてはこのノヴァという男の指示で動いていた。
翌日ヒューゴたちはアリータの記憶が戻らないかと、昔の戦争からある捨てられた飛行物体にアリータを案内する。その中にあるなにかに反応したアリータは半分湖に沈められた機体の中から特殊なサイボーグのボディを発見する。
このボディに何かを感じたアリータはイドにボディを付けるよう頼む。これをイドは断る。
「このボディは300年前の戦争以前の技術のもの。君はおそらく戦闘用のサイボーグだ。しかしもう戦う必要はない。普通の女の子として生活してほしい。」
これにアリータは失望し、半ばやけになりヒューゴを連れ自らハンター戦士になりハンターが集まるバーに行く。
そこにはアイアンシティのハンターが集まっており、グリシュカとの戦闘に力を貸してほしいと訴えるアリータであったが、特殊なブレードを持つザパンの挑発に乗ってしまいハンター達との戦闘がはじまってしまう。
戦闘の最中にイドが駆け付け自体は急速、かに思えたがそこにグリシュカが改造された姿で現れ、俺の世界に来いと地下深くにアリータを誘うグリシュカ。
グリシュカとの戦闘を地下で行うアリータであったが、あと一歩のところで体をバラバラにされてしまう。イドやヒューゴが駆け付けなんとか一命は取り留めたアリータ。
そんな、アリータをもう傷つけさせるわけにはいかないと、以前の特殊なボディを取り付け治療を行ったイド。
特殊なボディはアリータに取り付けると形を変え始め、アリータに適応したボディに変化する。
アリータの体はより大人の女性らしさをつくり、もう少女のアリータではないのだとイドは理解するのであった。
転
変身した身体でヒューゴに会いに行くアリータ。アリータの無事に安堵するヒューゴであった。ヒューゴをアリータはお互いを思っていることを自覚すると、熱いキスを交わす。
「サイボーグなのに気にならないの?」
ヒューゴはアリータの心を愛していた。そんなヒューゴはモーターポールの主催のベクターに呼ばれることに。とあることをお願いされたヒューゴ。これを成功させればザレムへ行けるとベクターに言われる。
アリータを殺すのに失敗したグリシュカは支配者ノヴァに次はないとくぎを刺されることに。ベクターも同様に焦り始める。
ヒューゴがザレムに行きたいことを知るアリータは自らの心臓を渡し、これを売って二人でザレムに行こうと提案するもヒューゴは断る。他人に心を許すなと。
そんなヒューゴの提案でアリータはモーターポールの選手発掘のトライアウトに参加することに。モーターポールでチャンプにさえなればザレムに行けるからと。
トライアウトに挑む、アリータ。心配なイドであるが応援することに。そんな試合の最中にヒューゴは以前バーで会ったハンターのザパンに命を狙われることに。ザパンはアリータに恨みをもっておりヒューゴを殺そうと考えていた。
ヒューゴに殺人の罪を擦り付け、殺す理由にしたザパン。得意のブレードでヒューゴを追いつめる。ヒューゴはトライアウトの試合中のアリータに助けを求める。
モーターポールのトライアウトはベクターによって仕組まれたアリータを殺すためのイベントであった。これを持ち前の戦闘能力で全員返り討ちにしたアリータは急いでヒューゴのもとに。
なんとか間に合ったアリータだが、ヒューゴは殺人で指名手配されてしまっており、驚いたアリータは隙をつかれてザパンにヒューゴを刺されてしまう。
ヒューゴを殺せというザパン。邪魔をするなと建物内に入ったアリータ。致命傷を貰ったヒューゴは絶命間際。そんな状況を見かねたイドの元妻チレンは二人を救う唯一の方法を教える。
そうして、でてきたアリータはヒューゴの首を見せつけ、指名手配を殺したことを伝える。管理ロボはそれを認めザパンからブレードを奪い返り討ちにするとイドのもとに首を持ち帰る。
ヒューゴは死んではいなかった。全身サイボーグとなったが生きていたのだ。イドは言う。
「この町でザレムに行く方法はモーターポールしかない。金では決してザレムには行けない。若者は騙され善人でもこうなってしまう。」
怒ったアリータはベクターに会うべく家を後にした。
結
警備をかいくぐりベクターに会いに来たアリータ。ヒューゴをだましたのかと問うと、この町で行くにはノヴァに気に入られるしかない。そう彼女のように。
そういうと、心臓、脳、眼球と臓器だけになったチレンの姿を見せる。
それに怒ったアリータであったが、ちょうどそこでグリシュカが現れる。グリシュカを新しいボディをブレードにて圧倒したアリータ。
「お前でなく、姿を表せノヴァ!」
そういうとベクターの体を使いノヴァが語り始める。
「そこまでの力を持っているとは、美しいよアリータ。私は上の世界でくつろぎながら見ているよ。すべてね。長く生きるのは退屈なんだよ。そう一番は他人の死なんだ。」
怒ったアリータはブレードでベクターを一刺しにする。
「これは致命傷のようだ。待っているよアリータ。」
そういってノヴァは消え、ベクターは死んだ。断片的によみがえった記憶の中でもノヴァが敵だということはわかっていた。
そして、イドからヒューゴが消えたことを聞いたアリータは、ザレムにつながっている荷物用のエレベーターの電線を伝う回路の上にヒューゴを見つける。
「ここにはもう俺の居場所はないんだ。だから上に行くしかない。」
「ザレムに居場所なんてない。私たちこそ居場所なの。だから一緒に帰ろう」
そういったアリータであったが、ノヴァはある装置を押しその回路にくる侵入者用ののこぎりのようなもの発動させる。
それに気づいたアリータであったが、ヒューゴには一歩届かずバラバラにされてしまう。
なんとかヒューゴが落ちまいと手をかけたアリータだが、徐々にヒューゴのパーツが壊れ始める。
「ありがとう、アリータ。愛しているよ」
そういうと腕のパーツは外れ下に落ちてしまったヒューゴを見ながらアリータを大きく涙を流すのであった・・
それから数カ月後、モーターポールのチャンプをかけた一戦にアリータは立っていた。
「彼女はバトルエンジェル!アリータ!!」
「アリータ!」「アリータ!」
多くの観客が声援を送る中、アリータはただ一点天上を見上げていた、そしてブレードを掲げる。その先遥か先にはノヴァが立ちスタジアムを見下していた。
そんな、アリータの決意に満ちた瞳のアップでエンドロールへ。
ネタバレあり感想
アリータは近未来が舞台の最高傑作
最初こそ、主人公アリータのみがCGによって作られていてそのほかの人物は一部サイボーグを除いて実写なので違和感ありますが、物語が進むにつれてその違和感も薄れていき魅力的なアリータという主人公とストーリーに引き込まれていきます。
また、原作があることに知らなかったのですが、上の世界であるザレム。下の世界であるくず鉄街のアイアンシティ。この設定も非常にいいですね。
また、アイアンシティの街の様子が非常にいい。果たして上の世界のザレムはどんな世界なのか、そうした想像が駆られます。
謎めいた過去を持った最強の主人公
一見アリータはかよわい少女ですが、その真の姿は最強の兵器だった。っていう男心をくずぐる設定がまた素晴らしい。
途中、グリシュカからイドを守るために見せたとんでもない体術のアクションシーンは「うおー!かっけー!!」って鳥肌が立ちました。アリータが会得している『機甲術(パンツァークンスト)』という名称もまたかっこいい!
また、恋もして普通の女の子のように悩んだりっていうのも良かったですね。アクションシーンと物語が進むテンポがちょうどよくて視聴者を飽きさせません。また、モーターポールという競技も非常にいい設定でこのチャンプこそ上にいけるという仕組みもいいですな。
ほんと約2時間半があっというまでした。
ラストシーンからの気になる次回作は?
この映画のラストがなにやら次回作を匂わせる展開で終わっています。本当の敵のノヴァは倒していません。
また、モーターポールの選手になったアリータの活躍もありそうなので続編は大いに期待できそうですね。
ただ、制作が超多忙なジェームスキャメロンということもありかなり先の公開になりそうです。なにせ、2009年公開の『アバター』の続編『アバター2』が2020年公開予定ですからね・・
構想にもしっかり時間をかける人物なので、アリータ2の公開があるとしても、かなり先になりそうです。
以上です。今後もまめに(とても大事)映画レビュー等書いていきたいと思います。
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