(この記事は2021年06月10日に作成されました。)
皆さんいかがゲームライフをお過ごしでしょうか。
月1ペースで更新しています、心理学をゲームに応用してみようシリーズも最後となるかもしれません。
なぜなら、勉強している心が折れかけているからです!
見てくれた方ありがとうございました。といつつ気分で書くこともあるかもしれません。
さて、あなたはゲームをしていてこんな風に思ったりしたことはないですか?
勝負に勝てた→「このゲーム最高、神ゲーだよね。」
勝負に負けた→「なんだこのゲーム、クソゲーでしょ」
このように同じゲームでも都合のいいように考え方が変わったことはないでしょうか。
このように自分が本来好きなはずでやっているものなのに考え方(認知)を変える人間の仕組みを 『認知的不協和理論』 といいます。
認知的不協和理論とは?
矛盾の生じた状況によるストレスから自分を守るため認知を変えて、協和を保とうとすること。
ということです。わかりづらいと思うので実際の実験を例にします。以下の2つのグループがありました。
二つのグループは全く同じ退屈な作業ですが、報酬だけが違います。
A、退屈な作業をさせ続ける。報酬が20ドル(2000円)
B、退屈な作業をさせ続ける。報酬は1ドル(100円)
作業の後に作業の満足度についてアンケートしました。果たしてどちらが満足度が高かったでしょうか?
正解はBの1ドルのグループでした。
これは、非常に退屈な作業をしたにも関わず報酬がたった1ドルだった。という矛盾した状況から
「1ドルだったけどその作業には意味があった、充実したものだった」
と認知を変えることで自らのストレスを回避しているため起こるものとされています。
人は簡単に認知を変える。じゃあ、ゲームでは?
それではゲームに関してはどう認知を変えるのでしょうか。
本来好きなゲーム。趣味でやっているはずのゲーム。
しかし、対戦ゲームでの敗北、手ごわいボスキャラ、どうしても解けない仕掛け。
好きでやっているはずのゲームが突然、矛盾しているストレス状況を引き起こします。
するとどうでしょう。この認知的不協和理論によって、そのゲーム自体に価値がないものとしようとするかもしれません。
以前、同じシリーズにて記事にしました、帰属のお話
にもありましたが、そのストレスを自分の能力によるものだと受けとめてしまうと人はさらに追い詰められます。
そのため、このゲームがつまらないのがいけない、そういう作りなのがいけない。
と好きでやっていたものを自分を守るため無理やり認知を変えてしまうこともあるかもしれない。ということです。
そう考えると毎試合ごとに負けるかもしれない戦いに身を置いている格闘ゲームは、
常にそんな自分自身の認知の変化との「戦い」をしているのかもしれませんね。
格闘ゲームはつまらない、オワコンだなんて言われる原因ももしかしたらこんな原理が作用しているのかもしれません。
ではどうやって向き合っていくべきなのだろうか?
ゲームのみにも関わらず、この認知的不協和理論は常に起こっています。
・職場にいる優秀な同期。でもあいつは実は嫌わているに違いない
・長年続けてきたこのゲームは何かの役には立っているはず
・勉強や仕事ができたって自分の役に立たなきゃ意味がない
人は目をそむけたくなるようなつらいとき、ストレスな状況では意図も簡単に認知を変えます。
また、バランス理論といって、好きな人やものが嫌いなもの。は嫌いになりやすい。
好きな人が好きなものは好きになりやすい。というのもこの不協和な状態の認知を変えようとして起こるといいます。
例)バランス理論の例 Aさんが犬が苦手→好きになりずらい Aさんが犬は好き→好きになりやすい、
これらの理論は人間の原理的なもので自らを守るための必要な機能であるとも思います。
当然、私も振り返ると
「仕事がうまくいかなくたって、ゲームできればいい」
とか思っておいて、
「ゲームがうまくたって何の役にも立たないじゃないか」
とか自分で勝手に認知を変えていたように思えます。
心の負担を軽減してくれるからこそ、この原理に頼っていたのかもしれません。
しかし、少しでも前に進みたい、今より強くなりたい、成長したい。
と思うのなら、この認知的不協和理論という原理があって、そういう状況に陥ると考え方って変わってしまうものなんだなっていうのを
意識しておいて、自分が夢中になっているもの、それが仕事でも勉強でも趣味でも、
頭のなかで勝手な理由をつけて言い訳をするんじゃなくて向き合っていくことが、人生を少しでも前に進めていくのかもしれません。
難しいですよね、それって、大変なことだと思います。
ただ、人は簡単に認知を変えるっていう事実は覚えておいて損はないと思います。ゲームにも人生にも向き合っていきましょう。
「頑張って生きるか、頑張って死ぬか」(映画 [ショーシャンクの空に] から )
さわかぜ
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