【SF6】モダン操作は格ゲーじゃない論の原因は一体何なのか?『モダンVSクラシック論争』を本気考察してみた【どっちが強い?】

ゲーム

(この記事は2023年09月05日に作成されました。)

『スト6』が発売されてから、既に3ヵ月が経過しました。新キャラクターとしてラシードが追加され、秋には「A.K.I」の登場も予定されており、さらなる盛り上がりが期待されています。

しかし、そんな盛況なスト6には発売前から懸念されていたことがあります。

それは、『モダン』という操作システムが追加されたことによるユーザ間の衝突です。

このいわゆる『モダンVSクラシック論争』はメーカー側も織り込み済みだったようで、このような内容の記事内で話しています。

参照先
https://www.gamespark.jp/article/2023/07/21/132287.html

さらに、SNS上では『モダン』を使用するユーザーに対する中傷的な発言がたびたび目に付き、それが『スト6』のユーザー間での議論の的となっています。

実際、先日もそのようなツイートに対して多くの反響がありました。(掲載については、ご本人からの許可を得ています。)

筆者自身はクラシック操作ながらもモダンでの対戦もrankアップも全然いいじゃない。

と思っているのですが(というかモダン操作のが難しく感じてしまう)

今回はあえてそうしたクラシック至上主義を主張する人たちはどのような心理でモダンユーザを攻撃するのかを考えた記事となっております。

「クラシックが最高!」や「モダンが最高!」といった偏った立場で記事を書くつもりは全くありません。むしろ「なぜ攻撃的になってしまうのか?」という点に焦点を当てて考察していますので、皆さんの温かい目で読んでいただけると幸いです。

そもそもモダンってクラシックと比較して強いの?弱いの?

ここが結構重要な点だと思います。明らかにモダンが強く設計されていてゲーム性として破綻しているというのであれば、それは論争が起こるのもやむなしではありますが。

私の個人的な見解としては、ランク帯によってモダンが有利に感じる場面もあるものの、上級者帯ではクラシックが優勢ではないかと思っています。

もちろん、発売からまだ3ヵ月弱のゲームですので、今後のアップデートやプレイヤー間の戦術の進化によって、その評価やバランスが変わる可能性もあります。

ただ、現在のところ、上級者同士の対戦ではクラシック操作が上回っているように感じられます。

最終的にクラシック優勢なのはなぜか?

現状のSFLでは9割以上の選手がクラシック操作を選んでいる。
出典:https://sf.esports.capcom.com/

主な理由として考えられるのは、2つのポイントです。

  1. クラシックの技の豊富さ。
  2. 上級者のプレイスタイルにおいて、お願い行動が極端に少ないこと。

基本的にモダンが活きるポイントは圧倒的な入力スピードの速さです。

場合によっては通常技の隙にSAをぶち込むことも可能でしょう。

上級者は可能な限りリスクを減らしながら相手にダメージを与えることを目指します。その代表的なテクニックが「さしかえし」です。

さしかえしとは、相手の技の隙やすかりに対して、こちらの攻撃を反撃することです。

もちろん非常に難易度の高いテクニックですが、相手が技を出さない限りは基本こちらから技を振ることはないのでかなり低リスクでダメージを奪えます。

クラシック操作には、この「さしかえし」に必要な技、例えば「立弱K」や、この技術を狙っている相手にダメージを与えるためのけんせい技が整っています。このため、戦略的な「立ち回り」においてクラシックが有利に働くと思われます。

上級者同士の対戦において、この「立ち回り」の時間は非常に重要な要素となります。この観点から見ると、技のバリエーションが少ないモダンは、地上戦での技合戦において不利と言えるでしょう。

ふたつめのお願い行動というものに代表されるのが「飛び」攻撃などです。

「飛び」による攻撃は、相手が技を出していたり、飛び道具を放っていた場合、その隙をついて大ダメージを与えることができます。しかし、「見てから」の反応で攻撃できるタイプの「飛び」を除き、この行動は基本的に相手が飛び道具を放つか、技を出すかを期待する、つまり「お願い行動」なのです。

超上級者のプレイを観察すると、彼らはこのような「お願い行動」をなるべく避け、より確実性を追求した戦術を取ることが多いように見えます。

もちろん、キャラクターや戦術によっては「飛び」が有効とする場面も存在しますが、本来はこの「お願い行動」に対して機能しやすいモダン操作は上級者間ではやや劣るのではという印象があります。

ましては上級者は相手が「モダンである」という情報を踏まえて戦ってくるので、余計にそうした行動を抑制しながら戦っていると思います。

お互いのランクやキャラの組み合わせによってはモダンが有利!というもの全然あると思いますし

そのあたりの多様性があるのが、今回のストリートファイター6の面白い部分であるとも思います。

モダンを否定する人たちの想いとは

それでは、なぜクラシックユーザはモダンユーザにヘイトを向けたくなるのか?

そのあたりを考えてみて解説してみます。

①戦闘スタイルの違いが不公平だと感じている

多くの人は、自分とは異なる性質を持つものや方法に対して、抵抗感や嫌悪感を抱きがちです。特に、勝敗が明確に示される格闘ゲームにおいては、この傾向が強まると思われます。

私もモダンのプレイヤーとランクマッチで戦うことがあります。全てのモダンユーザーがそうではないにせよ、やや「待ち」のスタイルが目立ちます。玉を撃ちながら後退し、相手の飛びやインパクトには迅速に反応してきます。画面端やバーンアウト中にインパクトをすればすぐさまSAが飛んできます。

もちろん、クラシックのスタイルでもこれは可能ですが、モダンユーザーにはその「反応する」姿勢が特に顕著であるように感じます。

自分(クラシックユーザー)にはできない技を相手があっさりと実行するのを見ると
「なんやこれ!インチキじゃん!」
と感じてしまうのかもしれません。

そこには自分(クラシック)には真似できないことに対する「不公平感」が存在していそうです。

しかし、よく考えたらクラシックにしか出せない技があることもまた不公平なので、そもそもそこに不平を感じるのはおかしい話な訳です。

クラシックの立ち回りで有利となる技を放つのがズルいとは思わないのに、反応が速すぎるモダンがズルいと感じるのは、「技の派手さ」や「受けたダメージの印象の違い」からくるのかもしれません。

私自身もモダンの神速SAが飛んできた日には
「ヒィ!Mだったあ!!」
と思わず叫んでいます。

これが新時代のゲームなんだ。手痛く負けた時こそ、胸を張れ…!
そう心の中でつぶやいてます。

②モダンという別領域で越されるランクへの嫉妬

次は単純に嫉妬心からくるものです。

例を挙げると、自分は昔からの格闘ゲームファンで、現在のランクは「ゴールド」。だが、格闘ゲームをモダンから始めた友人は、自分よりも先に「プラチナ」に昇格したとしたら。

こんなことが起こってしまったら、その原因の所在を自身に向けると精神的にダメージを負います。

そのため、「操作タイプが違うからだ。簡単な操作のモダンであれば誰でもランクアップしやすいんだ」と、操作タイプを理由にすることで、自分を保護する心理が働くのでしょう。

「それなら、モダンに転向すれば?」と提案されたとしても、「そうなると、今まで格闘ゲームにかけた時間や努力は何だったのか」と、自分のゲーム歴が否定されたように感じる。

その結果、「モダンなんて真の格闘ゲームじゃない!」という結論に達することもあるかもしれません。

モダンは技が超速で出せる反面、ダメージは80%に抑えられています。その一方で、いわゆるクラシック版の技入力(↓↘→+Pで波動拳など)でも技が出るようになっていて、その場合はダメージは100%で出せます。

「あれ、これもしかしてモダンのが強いんじゃ..?」

そう思っていた時期もありましたが、実際に触ってみると、ボタン配置がクラシックと全然値が買ったりとかなりの慣れが必要なんです。(クラシック操作に慣れすぎてしまっているからという面もありそうですが)

だから、モダン操作が難なくできる人は筆者からしたら環境に適応してるすげーやつ!だと感じています。

③歴史あるクラシック操作のほうが偉いと思っている

ストリートファイターシリーズはパンチ、キックの弱中強3つの6ボタンが基本構成として割り当たっています。「ストリートファイター」の6ボタン操作はシリーズの基本的な操作方法として根付いています。

しかし、現代のゲーム市場は多様化しており、特に若い世代のプレイヤーにとっては、簡単な操作でアクションを楽しめるゲームが多く存在します。この変化の中で「ストリートファイター」も新しいプレイヤーを取り込むための方法を模索していると思われます。

古参のプレイヤーから見れば、従来の操作方法には思い入れがあり、その変更や簡略化に対する違和感や不満を感じることは自然です。しかし、ゲームメーカーとしては、新規ユーザーの獲得と、古参のユーザーのニーズを両立させる必要があるため、このような方針が取られているのでしょう。

いままで苦労して鍛錬の上でようやく出せた技たちが、たったのワンボタンで出せてしまう。
「そんな、今までの俺の苦労はなんだったんだ!」
そう思ってしまうかもしれません。

わからなくはないですが、メーカー側はそもそもモダン操作のみにしてクラシック操作をなくすこともできたということも話しており、そんな古参ユーザたちよりも、新規ユーザに重きを置いているように見えます。

新しい操作方法を導入することによって新しいプレイヤーを獲得し、同時に古参のプレイヤーにも楽しんでいただく。それが「ストリートファイター」の新しい方向性であり、古参のプレイヤーにはその変化を受け入れてもらうことを期待しているのかもしれません。

モダンVSクラシック論争についてのまとめ

おそらく今後もこうしたユーザ間の論争は終わらないでしょう。

一周回って

「クラシック操作こそズルくて老害で終わってる!」

なんていう意見もそのうち出てきそうな気もします。いつの時代も人は変化を嫌う性質を持っていますし、自分の異なる点を見つけては敵意を示す生き物だと思います。

筆者もコマ投げキャラを愛用するがゆえに遠距離からひたすら「ふがし!」を植え込むキャラに時に怒りや敵意をむき出す日もあります。

そうした習性そのものは自己を防衛するためのものだったりするので、批判自体は起きてしまうのだと思いますし、そうした話題があることで今日もまたTwitter改めXでの格ゲー論争が盛り上がりを見せるのでそれはそれで楽しみだったりします。

格ゲーの一番の魅力は個性のあるキャラによって表面化される、操作プレイヤーの人間性だったり癖だったりがゲーム内で対話できる点にあると思います。

そんなある意味で多様性を愉しむ要素にまたひとつ『操作タイプ』という新たなエッセンスが投入されたと思えば、より格ゲーも広い視野で楽しめたりするのではないでしょうか。

さわかぜ

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